胃カメラと大腸カメラ、同じ日に受けるのが本当にベスト? ~検査の効率だけでなく、安全性と精度を大切に~

『胃カメラと大腸カメラを受けるなら、同じ日にまとめて検査を済ませたい。』
そう考える方は多いのではないでしょうか。

確かに、胃カメラと大腸カメラを同じ日に受ける「同日検査」には、通院回数を減らせる、検査前の食事制限や準備をまとめられるといったメリットがあります。

一方で、同じ日に検査を行うことが、すべての患者さんにとって最善とは限りません。

内視鏡検査で大切なのは、検査を効率よく終えることだけではなく、患者さんの状態に合わせて安全に検査を行い、十分な観察時間を確保して精度の高い診断につなげることです。

では、胃カメラと大腸カメラを同じ日に受ける場合、どのような点に注意すればよいのでしょうか。

今回は、同日検査のメリットと注意点を踏まえながら、検査を別々の日に受けることも検討したい理由について解説します。

1.鎮静剤の使用量が増える可能性があります

胃カメラや大腸カメラでは、検査中の苦痛や不安を軽減するために、鎮静剤を使用することがあります。

両方の検査を同日に鎮静下で行う場合、検査時間が長くなるため、1回の検査日に使用する鎮静剤の投与量が増える傾向があります。

鎮静剤を使用する際には、呼吸抑制や血圧低下などの副作用に注意が必要です。
特に、高齢の方や持病のある方では、鎮静剤の影響を慎重に考慮する必要があります。

また、検査後には眠気やふらつき、倦怠感などが続くことがあるほか、目が覚めたあとに吐き気が生じることもあります。

同日検査が必ずしも危険というわけではありません。
しかし、検査時間が長くなることを踏まえ、患者さんの年齢や全身状態、検査中の反応などを確認しながら、適切に鎮静剤を使用することが大切です。

検査を一度にまとめる利便性だけでなく、患者さんの安全性にも十分配慮して検査方法を選択する必要があります。

2.腹部の手術歴がある方は、事前の相談が大切です

過去に腹部の手術を受けた方では、術後の腸管癒着などによって、大腸内視鏡の挿入や観察が難しくなる場合があります。

大腸は複雑に曲がりくねった臓器です。
手術後の癒着や腸管の形状の変化によって、内視鏡の挿入に時間がかかったり、大腸の粘膜を十分に観察することが難しくなったりすることがあります。

こうした場合には、通常より慎重な操作が必要となり、検査に時間を要することもあります。

また、挿入が難しい場合には、検査中の苦痛や身体への負担にも配慮しながら、検査方法を調整する必要があります。

このようなケースでは、胃カメラと大腸カメラを同じ日に行うことにこだわらず、大腸カメラに十分な時間を確保できる日程を選ぶことも大切です。

もちろん、腹部の手術歴があるからといって、必ずしも別々の日に検査を受ける必要があるわけではありません。

手術の内容や現在の健康状態、これまでの内視鏡検査の経験などを踏まえて判断します。

腹部の手術を受けたことがある方は、予約時や診察時に医師へお伝えください。

3.大腸カメラは、十分な観察時間を確保することが重要です

大腸カメラの目的は、単に大腸の奥まで内視鏡を挿入することではありません。

大腸の粘膜を丁寧に観察し、ポリープや大腸がんなどの病変を見つけることが重要です。

大腸内視鏡検査では、腸の形状や挿入の難しさ、腸管内の状態、病変の有無などによって、必要な検査時間が変わります。

特に、ポリープなどの病変が見つかった場合には、形状や大きさを詳しく観察し、必要に応じて切除などの処置を検討することもあります。

そのため、予定時間内に検査を終えることだけを優先するのは望ましくありません。

大腸カメラでは、内視鏡を挿入することだけでなく、抜去しながら粘膜を丁寧に観察することも大切です。

同日検査であっても、大腸の観察に必要な時間を確保し、病変が見つかった場合にも適切に対応できる体制が求められます。

検査を一度にまとめることと、一つひとつの検査を丁寧に行うこと。この両方を大切にすることが、質の高い内視鏡検査につながります。

4.検査時間の設定や運用体制にも目を向けましょう

同日検査には、通院回数を減らせるだけでなく、食事制限や検査前の準備をまとめられるというメリットがあります。

一方で、医療機関によって検査時間の設定や運用方法は異なります。

例えば、大腸カメラのみを行う場合と、胃カメラ・大腸カメラを同日に行う場合とでは、必要となる検査時間や時間配分が異なります。
同日検査では、胃カメラと大腸カメラの両方に必要な時間を確保しなければなりません。

大腸カメラでは、挿入に時間がかかることもあれば、ポリープなどの病変が見つかり、詳しい観察や処置が必要になることもあります。

こうした場合にも、十分な時間を確保し、安全に検査を進められる体制が重要です。

例えば、大腸カメラ単独の場合と同日検査の場合で、検査枠に十分な時間の違いが設けられていなければ、検査全体の時間配分が難しくなる可能性があります。

もちろん、同日検査であっても、適切な時間設定や人員配置、検査中の状態管理などによって、丁寧な検査を行うことは可能です。

同日検査そのものが問題なのではありません。大切なのは、患者さんの状態に合わせた鎮静管理と、胃カメラ・大腸カメラそれぞれに必要な検査時間を確保できる体制です。

医療機関を選ぶ際には、こうした点にも目を向けてみてください。

まとめ|大切なのは、同じ日に受けることよりも、質の高い検査を受けること

胃カメラと大腸カメラの同日検査は、通院の負担を減らし、効率よく検査を受けられる便利な方法です。

一方で、鎮静剤の使用、腹部の手術歴、検査の難しさ、病変が見つかった場合の対応など、患者さんによって考慮すべき点は異なります。

そのため、すべての方に同日検査が最適というわけではなく、別々の日に受ける方が適している場合もあります。

検査を一度にまとめることは、あくまでも手段の一つです。大切なのは、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、安全性に配慮しながら、十分な時間をかけて精度の高い検査を行うことです。

とよだ内科・内視鏡クリニックでは、胃カメラと大腸カメラの同日検査にも対応しています。

しかし、検査を効率よく終えることだけを目的とはしていません。患者さんの状態や検査の目的を踏まえ、それぞれの検査を丁寧に行い、質の高い診断につなげることを大切にしています。

胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けるか、別々の日に受けるか。

迷われている方は、ご自身の体調やご希望を踏まえて、医師にご相談ください。

一人でも多くの方に、安心して質の高い内視鏡検査を受けていただくこと。
そして、大腸がんの早期発見・予防を通じて、大腸がんで悲しむ方を一人でも減らすこと。

それが、私たちの目指す医療です。

神戸三宮で、大腸カメラのご相談をお考えの方へ

とよだ内科・内視鏡クリニックでは、鎮静剤を用いた苦痛の少ない大腸カメラ検査を行っています。
検査への不安や疑問点について、いつでも丁寧にお答えいたします。

「便潜血検査で陽性が出たが、まだ受診していない」

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※JR三ノ宮駅・阪急神戸三宮駅から徒歩5分。地下連絡通路から直結しており、雨の日や身体がだるい検査前後でも非常に通やすい好立地です。

院長 豊田昌徳

記事執筆者

とよだ内科・内視鏡クリニック
院長 豊田昌徳(とよだまさのり)

  • ・日本消化器内視鏡学会 専門医 (https://www.jges.net/)
  • ・日本消化器病学会 専門医 (https://www.jsge.or.jp/)
  • ・日本内科学会 認定内科医 (https://www.naika.or.jp/)
  • ・The Best Doctors in Japan 2024-2025(消化器内科)
  • ・The Best Doctors in Japan 2026-2027(消化器内科)
  • ・MBTI®認定ユーザー